床下は冷気がこもりやすく、足元から冷えを感じますよね?それは「底冷え」といって、床下の冷気が床を冷たくしてしまった状態です。その上で生活する私たちは、足元から体を冷やしてしまい、体の芯から寒さを感じてしまうことになります。そこで、住宅を建てる際やリフォームの際には、事前に「底冷え対策」を行う必要があります。
底冷えを防ぐには、床下の冷えから守るあったかグッズや、底冷え対策に効果的なリフォームを行うことで、寒い時期を快適に過ごせるようになります。本記事では、冬に底冷えが起きる理由とともに、床下の冷えから守るあったかグッズ、底冷え対策に効果的なリフォーム寒さ対策について具体的に紹介します。
目次
体の芯から冷えを感じる「底冷え」とは?
底冷えとは、地面や足元から伝わった冷気が全身に伝わり、体の芯まで冷えを感じる寒さのことです。
床や地面が冷えると、冷気が足元に伝わります。さらに足元から伝わった冷気は、足元から体全体の体温をじわじわと奪い、体の芯まで寒さを感じる原因となります。底冷えを放置したままだと体が冷え、風邪、体調不良を招く恐れがあるので注意が必要です。
底冷えを防ぐには、地面や足元から伝わる冷気を抑えるための対策を取る必要があります。
冬に底冷えが起きる原因
冬は床や足元に冷気がこもることから、足元から冷えを感じやすくなります。まずは冬に底冷えが起きる原因について、具体的にそれぞれ詳しく解説します。
- 家の断熱性能が低い
- 冷たい空気は下へ下がる性質があるため
家の断熱性能が低い
家の断熱性能が低いと、床の隙間から冷気を含んだ隙間風が室内に漏れ、底冷えを感じやすくなります。断熱性能の低い家は、家の隙間から床、壁、天井に冷気が入り込みやすく、暖房をかけても室内がなかなか温まりません。
室内の寒さ、底冷え対策を行うには、家の床、壁、床などに断熱材を施工して家そのものの断熱性能を上げる必要があります。
冷たい空気は下へ下がる性質があるため
冷たい空気は下へ下がる性質があるため、床付近に冷たい空気が蓄積され、底冷えを感じやすくなります。空気は温度が高いと上へ、低いと下にいく性質があり、寒い時期は冷気が床下にこもりやすくなります。
とくに家の中に隙間風が入る状況だと、冷気が床下に溜まり、足元から冷えを感じるようになります。さらに暖房によって温められた空気が冷たい窓ガラスに触れて冷やされると、冷気が床下に向かって降りてくるため、底冷えしやすくなります。
底冷え対策におすすめのあったかグッズ
近年では足元から温められる便利なグッズが多数販売されており、それらを使用することで底冷えを感じる寒い時期も快適に過ごせます。本項目では、底冷え対策におすすめのあったかグッズを紹介します。
- ルームシューズ、スリッパを履く
- 冷え取りソックスを履く
- 電気カーペットを敷く
ルームシューズ、スリッパを履く
ルームシューズやスリッパを履くことで、フローリングから伝わる冷気から足元を守り、底冷えを防ぐことができます。空気は冷えると下に降りる性質があるため、フローリングや床は冷えやすくなります。そこで床下からの冷え対策として、ルームシューズやスリッパを履くことで、床からくる冷えを防ぐことが可能です。
ルームシューズやスリッパには保温性に優れたもの、おしゃれなものも多いので、お気に入りのアイテムを取り入れて寒い時期も快適に過ごしましょう。ルームシューズ、スリッパは、ホームセンター、通販などでも購入可能です。
冷え取りソックスを履く
足元を温める冷え取りソックスを履くことで、床下から伝わる冷えから足元を守ります。冷えとり靴下とは、シルクと天然繊維の靴下を交互に重ねて履く靴下のことです。一般的に冷え取り靴下は4枚重ねて履くことが多いですが、重ね履きタイプなので体調の変化に合わせて枚数を調整できます。
電気カーペットを敷く
床から伝わる冷気は、床に電気カーペットットを敷くことで対処できます。電気カーペットとは、カーペットに織り込まれた電熱線に電気を通すことで発熱し、足元から部屋全体を温めることができる暖房器具のことです。
電気カーペットを床に敷くことで、床から熱を放出し、冷えやすい足元から室内をあたためることができるので、底冷え対策に効果的です。電気カーペットは使用する箇所のみ温められる節電タイプもあるので、目的や用途に合わせて必要なものを選びましょう。
電気カーペットは、家電量販店、ホームセンター、通販などでも購入可能です。おすすめの電気カーペットは、以下の通りです。
家全体の底冷え対策におすすめのリフォーム方法
家全体の底冷え対策を行うなら、底冷え対策に効果的なリフォームを行うのがおすすめです。底冷え対策に効果的なリフォームを行うことで、足元からくる冷えを防ぎ、底冷えから体を守ります。
家全体の底冷え対策におすすめのリフォーム方法について、それぞれ紹介します。
- 床材の下に断熱材を貼り付ける
- 床暖房を設置する
- 床下に遮熱シートを施工する
床材の下に断熱材を貼り付ける
家の床材の下に断熱材を施工することで、床下から侵入する冷気を抑え、底冷えを防ぎます。断熱材とは建物の天井、壁などに入れる建築資材のことで、空気の層によって熱の伝わりを遅らせる作用があります。
空気は冷えると下に下がる性質があり、床下には冷えた空気がこもるので、底冷えを防ぐには床下への熱対策が必要です。床材の下に断熱材を貼り付けることで、床下にこもる冷気が床下から室内に侵入するのを防ぐので、足元の冷えを感じにくくなります。
床暖房を設置する
床に床暖房を設置することで、フローリングから足元を温め、底冷えを防ぐことができます。床暖房とは、床構造に組み込んだ温め装置により床をあたためる暖房の一種です。
温められたフローリングに直接触れることで、足元から温かさを感じられるので、底冷えから足元を守ります。さらに床暖房は床から部屋全体に広がる輻射熱の作用によって、部屋全体を温めることができるので、室内全体の寒さ対策にも効果的です。
床下に遮熱シートを施工する
床下に遮熱シートを施工することで、熱を室内側に反射する作用により、寒い冬の時期も温かく過ごせるようになります。遮熱シートとは、電気ストーブなどの輻射熱を反射する金属製のシートのことです。
また、輻射熱とは遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のことです。床下に遮熱シートを施工することで、室内にこもる輻射熱が外に逃げるのを防ぎ、室温低下を防ぎます。
床下は湿気の影響を受けやすい箇所なので、遮熱シートを施工する時には細かい穴が無数に開いている「サーモバリアエアー」がおすすめです。サーモバリアエアーは、無数の穴により湿気を逃がすので、床下からの湿気対策に効果的です。床下への遮熱シート施工方法、効果については以下の記事で詳しく解説していますので、以下の関連記事のリンクからご覧くださいませ。
関連記事:遮熱シートを床に施工するには?効果や施工方法をご紹介
床下への遮熱シート施工は、過去に愛知県の一般住宅で床下に「サーモバリアエアー」を施工した事例があります。
床下施工の際には、断熱材が大引き(床を支える木材)より下がっている点がポイントです。詳しい施工事例の内容については、以下の関連記事のリンクからご覧くださいませ。
遮熱シートを床に利用するなら、断熱材との併用がおすすめ
遮熱シートを床に施工するなら、遮熱材では防げない対流熱、伝導熱に効果を発揮する断熱材との併用がおすすめです。熱の伝わり方には、湯たんぽ型の伝導熱、エアコン型の対流熱、日射、電気ストーブなどの輻射熱があります。
遮熱シートには電気ストーブ、日射などの輻射熱を反射する効果がありますが、エアコン型の対流熱、湯たんぽ型の伝導熱には効果がありません。また断熱材には対流熱、伝導熱の伝わりを遅らせる効果はあるものの、輻射熱には効果を発揮しません。
そこで床への遮熱シート施工には、伝導熱、対流熱を抑える断熱材を併用することで、全ての熱移動を防ぐ「理想の断熱」が実現します。
関連記事:理想の断熱
まとめ
寒い時期は、床下に冷たい空気がこもり底冷えの原因となるので、底冷え対策を行う必要があります。具体的な底冷え対策は、以下の通りとなります。
- ルームシューズ、スリッパを履く
- 冷え取りソックスを履く
- 電気カーペットを敷く
- 床材の下に断熱材を貼り付ける
- 床暖房を設置する
- 床下に遮熱シートを施工する
底冷えはあったかグッズでも防げますが、底冷え対策に効果的なリフォームを行うことで家全体を温めることができるので、より効果的です。たとえば、遮熱シートを床下に施工することで室内の熱が室内側に反射するので、室内の温度低下、底冷えを防ぐことができます。
床施工の他にも、壁、床、天井などに遮熱シートを施工する「遮熱リフォーム」を行うことで、暖房の熱が外に逃げるのを抑える働きがあるので、寒さや底冷え対策に効果的です。
遮熱シートはアルミ純度が高いものほど効果が高いので、アルミ純度99%以上のアルミ箔を使用した「サーモバリア」の使用がおすすめです。またサーモバリアには施工箇所に合わせて豊富な種類があるので、適したものを選ぶのが効果的です。
たとえば、屋根への施工はあらゆる部位への施工が可能な「サーモバリアS」、壁は「サーモバリアスリム」「サーモバリアW」、床や床下には細かい穴により床下からの湿気を逃す「サーモバリアエアー」の施工がおすすめです。
床、壁、屋根など住宅への遮熱シート施工を検討している方は、施工箇所を選ぶだけで商品選定を行う「商品選定ナビ」もぜひご活用くださいませ。