「工場の中が暑く、熱中症になった人が出た!」「夏の工場は暑すぎて、熱中症になりそう!」というお悩みを、工場内で働く従業員の方々から聞いたことはありませんか?
真夏の工場内の40度近い暑さは、従業員の熱中症の危険が高まります。熱中症は、最悪の場合死亡災害にまで発展する危険があります。そのため、工場の熱中症対策を行うことで、屋内の温度を適温に保ち、従業員の命を守ることはとても重要です。
そこで当記事では、工場で働く従業員の方々が熱中症にならないように、工場の熱中症対策について説明します。
目次
室内でも熱中症が起こるの?
熱中症というと、真夏の屋外で起きていると思われがちですが、実際のところ、工場内においても熱中症の疑いと見られる症状で倒れ、死亡者も出ております。下のグラフをご覧下さい。
引用:2020年職場における熱中症による死傷災害の発生状況.pdf
工場での作業が多い製造業では、屋外の業務と比較しても、熱中症による死傷者数が多いことがわかります。熱中症は命の危険を伴うため、熱中症になる人を出さないように気をつけましょう。
なぜ熱中症が起こるのか?
熱中症が発生しやすい状況として、以下の2つが挙げられます。
- 工場内の環境
- 激しい運動や労働
順番に解説していきます。
1.工場内の環境
1つ目は、工場内の環境によるものです。熱中症の危険が増す工場内の環境として、以下の環境が挙げられます。
・湿度が70%以上、かつ温度が28℃を超えた時
・風通しが悪く、空気が澱んでいる
・従業員の休憩時間が1時間に1度しかない
工場内は室温や湿度が高く、風通しも悪いです。さらに夏の暑さの原因でもある「輻射熱」が工場内を暑くし、人体にも影響を及ぼしています。この「輻射熱」は、空気の温度ではなく「人体の温度」を上昇させるため、室内を暑く感じさせます。そのため熱中症の予防対策として「輻射熱」を防止することが非常に重要です。
“住宅や工場の中を暑くするのは、太陽から放射された「輻射熱」が、住宅や工場の屋根の温度を上昇させ、熱せられた瓦や折板屋根、スレート屋根はまるで大型ヒーターのように室内に向け熱を放射するためです”
画像引用元:熱中症の予防方法と対処方法 - 環境省熱中症予防情報サイト
2.激しい運動や労働
2つ目は、激しい運動や労働によるものです。人間の身体は、体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することによって体温が外へ逃げる仕組みがあり、体温調節が行われます。暑さに身体が慣れてなかったり、疲労や寝不足、病気などで体調不良の場合、体内に生じた熱を外へ逃がすことができず、熱中症へと繋がります。
画像引用元:熱中症の予防方法と対処方法 - 環境省熱中症予防情報サイト
工場の熱中症対策におすすめな3つの方法
上記の工場内での熱中症の原因に対する、オススメの対策方法を3つご紹介します。
- 工場の暑さ対策を行う
- 15〜30分に一度の塩分・水分補給
- 基本的な体調管理
1. 工場の暑さ対策を行う
工場内の暑さの主な発生原因は、太陽から放射される熱によるものです。この熱は「輻射熱」と呼ばれます。「輻射熱」は断熱材では遮ることができないため、遮熱材を使用して対策しましょう。
さらに工場内の機械から発生する熱も「輻射熱」であるため、遮熱材は機械からの熱にも効果を発揮します。また、「輻射熱」を防ぐだけでは不十分なこともあるので、冷却効果が期待できるスポットクーラーや大型扇風機などを設置するのもオススメです。
弊社が販売しているサーモバリアは、輻射熱を97%カットする遮熱材です。この製品は工場の屋根や壁に使用することで、太陽から発生する熱だけでなく、工場内の機械から発生する「輻射熱」も防ぐことができます。実際に工場内の機械から発生する「輻射熱」への対策のためサーモバリアを導入いただき、まだ日が浅いにも関わらず、効果を実感いただけた例もございます。以下の記事をご参照ください。
工場内の機械から発生する熱への対策に。「サーモバリア フィット工法」を導入いただいた某金属印刷工場様。
2. 15〜30分に1度の塩分・水分補給
熱中症の原因として汗をかけなくなってしまうことで、体温調節がうまく行われないことがあります。汗の原料は塩分であるため、塩分を補給することでうまく体温調整を行うことができます。労働の種類や強度などにもよりますが、労働中は汗などで通常よりも体内の水分を多く失います。15~30分に1度、汗の量に応じて200〜250mL程度を目安にこまめに水分補給することが大切です。
休憩中にスポーツドリンクを飲んだり、塩あめを食べたりして、塩分をとりましょう。また、昼食や夕食を工場で食べる場合には塩を持参するのもよいです。
3. 基本的な体調管理
不規則な生活をすると、体が弱るため、熱中症になりやすくなります。十分な睡眠、朝食は必ず忘れずに行いましょう。お酒の飲みすぎは利尿効果によって脱水状態を生み出しやすくなるため、熱中症にはよくありません。さらに、血圧が高まり体温も上昇するため、その状態で温度の高い場所にいると、体調を崩しやすくなります。基本的な体調管理は、熱中症対策に効果的と言えます。
まとめ
これまで、熱中症の原因、3つの熱中症対策、室内での熱中症の状況について説明してきました。熱中症の原因が工場内の環境と激しい運動や労働だと理解していただけたでしょうか。
これらの原因に対して、適切な熱中症対策をし、従業員が熱中症にならない環境を整えましょう。熱中症対策でお困りの方は、工場の暑さ対策をご検討されてはいかがでしょうか。